モナ・リザの魅力(山田五郎先生のオトナの教養講座)

「ルネッサンスと言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチ。レオナルド・ダ・ヴィンチと言えばモナ・リザ。」というくらい有名で、不思議な魅力を持つ絵です。この動画では山田五郎先生がその魅力の源を明快に教えてくれています。

ダ・ビンチが67年の生涯で制作した油絵は20点にも満たないとされています(動画では14~5点と紹介されています)。これは同時代を生きたミケランジェロと比べても極端な少なさです。完璧主義で納期を守らないうえに注文通りに描かないのでトラブルが多かったといいます。そのために技術は認められていたのにかかわらず、仕事の注文が少なかったのです。ダ・ビンチは仕事を求めて地方を転々とする生活を送っています。

おはなし名画の「レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ」にもダ・ヴィンチが独立して最初に依頼された礼拝堂に飾る絵や修道院から注文された「東方三博士の礼拝」の絵を納期までに完成させられなかった話が紹介されています。

当初、モナ・リザはフィレンツェの裕福な絹商人の奥さんをモデルとして制作されたのですが、納期を守らなかったため、契約が破棄されてしまいます。この結果、ダ・ビンチはこの作品を持ち運び、生涯にわたって加筆をし続けることになりました。長い時間をかけてモナ・リザはダ・ビンチにとっての「普遍的な理想の女性像」へと変わっていったのです。山田五郎先生は「モナ・リザは誰でもない人物像となり、見る人の個性が反映されるようになった」と説明されています。

技術的にはダ・ビンチは薄い絵具を何度も塗り重ねることでグラデーションを付けて立体的に表現する技法を追求しました。この技法の究極の作品がモナ・リザです。多い箇所では20回以上の塗り重ねがされています。絵具が乾くのを待って塗り重ねるので相当な時間が必要ですが、納期という制約がないため納得がいくまで描けたのでしょう。これによりモナ・リザの顔から輪郭(境目)が消え、見る角度や光の当たり方によって表情が変わる作品が出来上がったのです。「怒っているのようにも、笑っているようにも見える」と言われる由縁です。

モナ・リザの何とも言えない柔らかい表情は完璧主義ゆえにモデルがいなくなったことと技法的な追及の結果、生まれたのです。

おはなし名画「レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ」ではルネッサンス期に生まれ、互いに影響しあい、競い合い、素晴らしい作品を生み出した二人の天才の人生を32点の作品と大きくて綺麗な印刷で楽しめます。

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