名画で語るキリスト教(キリストの磔刑)

ヨーロッパを旅行していると十字を切って祈りを捧げる人の姿をよく見かけます。とても美しい仕草です。
当然ですが、この十字はキリストの磔刑に由来します。私自身はクリスチャンでありませんが、キリスト教には深い縁を感じます。例えば、祖母は晩年を敬虔なクリスチャンとして過ごしました。

私の父は私が幼い時に交通事故で亡くなっています。祖母にとっては長男でした。祖母の悲しみは想像を絶するもので、その後1年間の記憶がないと話しているのを聞いたことがあります。祖母はキリスト教に救いを見い出しました。

私が知っている祖母はいつも優しく凛としているクリスチャンです。祖母が祈りを捧げている姿は、幼い私の眼にも息を飲むほど気高く、美しかったのを憶えています。ヨーロッパで祈りを捧げる人の姿を見たとき、祖母の姿が重なり思わず涙がこぼれそうになりました。

印刷技術が発達する前は聖書も流通しておらず、人々は絵画からキリスト教について学びました。キリストと十字架が視覚的に一体化されることで信仰はより強固なものになったのでしょう。キリスト教を宗教としてではなく、文化として見ると、クリスチャンではなくても、宗教画をもっと楽しめると思います。

絵はアンドレア・マンテーニャの作品(1459年)です。ショックで崩れ落ちるマリアも描かれています。当時の人々に強い衝撃を与えたことでしょう。

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名画で語るキリスト教
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