印象派のきっかけを作り、印象派を生み出した二人の画家の生涯を童話風に辿りながら名画を紹介する絵本画集です。
(マネ)
「印象派の生みの親」と言われるマネは、自身では一度も印象派展に作品を出していません。自分のスタイルを貫きつつも、当時の美術界の権威だったサロンに認めらたいという気持ちが強かったのでしょう。
ところが、古典の構図を借りながら現代社会の闇の部分を描いたマネの作品は当時の批評家たちからは認められません。「オリンピア」ではヴィーナスの代わりにパリの高級娼婦がベットに横たわっています。絵画は高貴であるべきだった時代に描かれたこの絵は人々の怒りを買いました。
それでもマネは自分の絵に自信を持っていました。やがて、近代都市パリの「今」を新しい手法で描くマネの周りに、進歩的な芸術家たちが集まるようになります。社交的で資産家、洗練された都会人でもあるマネは第1回の印象派展開催時にはプロデューサー的な役割も果たしています。
※マネの生涯をこちらにごく簡単にまとめています。よろしければご覧ください。
(モネ)
マネの絵に魅入られた青年がいました。「ぼくもいつかこんな絵を描きたい」
その青年の名前はモネ。二人の偉大な画家の出合いです。外の明るい光の中で自分の目に写る風景を生き生きを描きたいと考えていたモネは同じ考えを持ったルノワール、シスレー、ピサロ、セザンヌ、ドガなどの仲間と1874年に展覧会を開きました。
そこにモネは「印象・日の出」という絵を出展しました。
ル・アーブルの海の夜明けを書いた「印象・日の出」はフランス画壇から散々バカにされ、酷評されました。
「こんなものは絵とは呼べない。ただの印象にすぎない。」
当時の批評家がこの絵を批判するために使った「印象」という言葉が世間に広まり、モネと仲間達は「印象派」と呼ばれるようになります。「印象・日の出」は印象派の画家たちの出発を告げる絵になったのです。
※モネの生涯をこちらにごく簡単にまとめています。よろしければご覧ください。
グループの中心的存在でありながら印象派展には一度も参加していないマネ。保守化したサロンの代わりに自分達でグループ展を開催することを決意し、参加者集めに奔走したモネ。
本書では二人の人生と作品40点を大きくて綺麗な印刷で楽しめます。
(ちょっとだけ中身の紹介)
「日傘をさす女」は太陽の光に包まれた妻カミーユの姿を捉えた印象派らしい作品です。「光の画家」モネの真骨頂とも言えるでしょう。モネ一家の幸せな暮らしぶりが伝わってきます。
マネ最晩年の傑作「フォリー・ベルジェールのバー」には吸い込まれるような魅力があります。
パリの光と闇を描いたマネ最後の作品。構図の不自然さを指摘されることもあるが、視点を変えることでま再現されることが証明された写実主義的作品でもあります。
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読者より
『降り注ぐ光を絵にして』
おはなし名画シリーズ(7) マネとモネ | 小手鞠 るい | 全ページ読める | 絵本ナビ:レビュー・通販 (ehonnavi.net)
とても丁寧に書かれていて、マネやモネがどんなふうに考えて、行動していたのかや、彼らの絵で当時の人たちの暮らしぶりや雰囲気がよく伝わってきて、とても見ごたえがあります。
モネの絵の、光の射す水辺や、女性のドレス、木々などは本当に美しいです。
20年くらい前に、オランジュリーでぼんやり座って周りの水連の絵を見た記憶がよみがえってきました。
こういう本を読んで、いつか本物を見てほしいなと思います。
(capellaさん 60代・じいじ・ばあば 情報提供:絵本ナビ)
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