鳥獣戯画は甲乙丙丁の全四巻からなる絵巻で、京都の高山寺で約900年にも渡り秘蔵されてきました。
本書では全4巻のうち、一般的に知られており、白眉とされる甲巻の魅力を余すところなく紹介しています。言葉がついていない長さ10Mもあるこの絵巻に後の人たちが当時の風俗を研究したり、想像したりして、色々な話をつけています。本書でもそれらを参考にしながらお話を作っています。彼らの可愛らしいしぐさを見ながら昔の人びとの遊びや暮らしに想いをはせてみましょう!
(ちょっとだけ中身の紹介)
このページでは『ここまでおいで』というウサギ」と「『まってくれよぉ』と犬かきで頑張る猿としていますが、「おぼれるウサギと助けにかけつける猿」だと言う人もいます。
英語の対訳はページの下部に記載しています。
(細かい部分を見てみましょう)
『兎と蛙の弓大会』
弓の腕比べはとても古くからある遊びです。
ここは選手の控えの場。「蛙なんかに負けてなるか」と闘志満々の兎たち。
矢を腰に勝負を見守る蛙や熱心に勝負を見守る蛙も描かれています。
『宴会」』
腕比べが終われば勿論、宴会です。
二羽の若い兎が担ぐ長びつの蓋の上には鳥が二羽括られています。
その後ろには重そうな酒瓶を担ぐ蛙と兎。
二人の会話が聞こえてきそうです。
「蛙さん、そんなに急ぐとお酒がこぼれるよ」
「肩が痛くてしんどいよ、兎さん」
そのまた後ろから運ばれてきた長びつは料理が一杯で蓋を閉めることもできません。
『兎と蛙の大相撲』
こちらは兎と蛙の大相撲。
がっぷり四つに組んだ二匹。
蛙、外掛けをかけましたがうまくかかりません。
焦った蛙は兎の耳にがぶり。
「卑怯だぞ! 離せ!!」
兎たちが物言いをつけますが、聞く耳を持ちません。
(鳥獣戯画の謎)
作者も定かではなく(定説では鳥羽僧正とされてきましたが、現在では不明とされています)、何のために描かれたのかも分かっていない鳥獣戯画が、沢山の国宝級の絵画を所有している高山寺で別格の扱いを受けて保管されてきたことは今でも謎とされています。もしかしたら深い宗教的な教えが込められているのかもしれません。是非、お話を楽しみながら、この戯画に込められた謎についても思いを巡らせてみてください。
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読者より①
『想像が膨らみます』
新・おはなし名画シリーズ(23) 対訳 鳥獣戯画 | 辻 惟雄,西村 和子 | 全ページ読める | 絵本ナビ:レビュー・通販 (ehonnavi.net)
美術展に行くのが好きですが、絵を見終わった時の感動を日常生活の中で維持させるのって難しいと感じています。そのはかなさ、非日常へのトリップが絵画鑑賞の醍醐味のようにも思います。
でも、この本ではリズミカルなおはなしが、より深く作品世界に誘ってくれ、いつでも絵と文を楽しむことができます。「鳥獣戯画」はひとりひとりの表情や動作に、いろいろな発見があり、大人も子どもも楽しむことができると思います。
(ぶんぶんぷんさん 40代・ママ 情報提供:絵本ナビ)
読者より②
『およそ900年前の絵巻』
トト📙(@mkk__222) • Instagram写真と動画
大型の(約34cm×27cm)絵本画集です。
甲・乙・丙・丁の4巻から「甲巻」を紹介しています。兎、猿、蛙が人間の仕草を真似て、遊びや行事を行う姿にお話がついています。
絵の隅々まで見ると動物達の表情など色々な発見があり、楽しめました。
本書の英語での紹介はこちらをご覧ください。
※鳥獣戯画は現在、国宝として東京国立博物館と京都国立博物館に保管されていますが、展示はされていません。高山寺でレプリカを鑑賞することが出来ます。